ダンディークワガタ 全長55mm
 クワガタムシのオオアゴは面取りがしっかりしていて、長く直線的なデザインのほうがカッコイイと思う。笑顔のような曲線は最低限に抑え、固いハガネをゆるやかに曲げた曲線を、そっと隠し味に使ったダンディーなデザインが、生命というよりマシーンのような美しさ。
 といったあたりが一般的なクワガタ好きのデザイン論だと思うのだ。もちろんそこに反論の余地はないのだが、あえてもう一つだけ付け加えたいのがお尻の曲線。いかつい頭部とは正反対に、ユルキャラ並みに脱力するお尻の曲線がクワガタムシの隠れダンディズムだと思うのだ。特に注目するポイントは飛行の後だ。クワガタの飛行はかなりのエネルギーを要求されるので人生に数回しか飛ばない個体もいるらしいが、その神聖なる飛行の後、収納に時間のかかる薄い内羽根が、パンツからはみ出したワイシャツの裾のように見えるのだ。
 子供時代には、憧れのクワガタが寝ぼけたオッサンのように変貌する姿を見て、なんともガッカリさせられた。だが、いまとなってはお尻で男の哀愁まで表現できるクワガタムシに熱烈に敬意を表したいのである。
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レシピ:頭部は昔解体した壊れたプリンターのステンレスステーパーツ。エポキシパテで肉盛りし表面にティーバッグの紙を張り、その上に木工用ボンドを塗り最後にヤスリがけ。ボディーは友人の庭で拾った9ボルト乾電池用の電極ソケットを光硬化パテで成形しヤスリをかけた後、とぼけたオヤジのパジャマみたいなガラにするため、千枚通しでストライプをスクラッチしスクラッチの傷をつや消しバーニッシュで定着。後頭部のカラータイマーのようなものは金床で叩き潰したホック。これで頭部とボディーをつなげている。

このソケットを拾ったとき(というか半分土に埋まっていた)ソケットから切れた電線がだらしなく飛び出しているのを見たときにクワガタのお尻を思いついたのが最初の着想。
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by hikosukeA | 2013-04-03 12:17 | ●オブジェ・イラストなど
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