アリダカール 体長36mm
 大きなお尻を高く持ち上げ、早足で通り過ぎる虫を見ていると、ブロックパターンのスペアタイアを背負い、砂煙を立てながら疾走する四輪駆動車に見えるのは私だけか?「だって砂煙なんて出てないじゃな~い?」と言われそうだが、神社の境内あたりに寝転がってアリ地獄にファインダーを向けていると、はっきり見えるんですよ。砂煙、いや土煙かな。乾いた土煙を立ててもがく獲物と、瞬時に捕食したアリ地獄が地中に潜ったあと、お線香のようにフワフワと土煙が揺らぐんです。ま、アリダカールの話しはもうちょっと平和的ですけど。

 アリダカールは背中にスペアタイアを背負い、砂煙を立てながら疾走する。生活テリトリーはなどは持たず、生涯を長い旅の中で暮らす孤高の虫。
 幼少期は母のスペアタイア上で、旅の空を見上げて暮らす。短い期間だがそこで、加速、制動、コーナリング、乗り心地、ルートファインディングと、一通りの技術を習得する。そして乗り合いバスから降りるように、クールにスペアタイヤから地面に飛び降りると、ただひと言「Good year!」と再会を誓い、旅人としての生涯が幕空けるのだ。
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 捕食ができるようになると、自らの足で歩き、しばらくの間は母や兄弟のチーム編成で旅をする。最初は人間中心の街中を安全に移動するコツを学ぶ。次は長距離移動を学ぶための高速教習。高速道路脇の、見晴らしが良く安全なガード上を移動し、お尻でバランスを保ちながらの高速カーブや、ヘアピンカーブを駆け抜けるドリフトクロススケーティングなどの走行テクニックを学ぶ。そして数日間の高速教習が終ると、いよいよ独り立ち。
高速の分岐点でアリダカールの親子は「Good year!」と再会を誓い、勢いよくそれぞれの道に散っていく。
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by hikosukeA | 2013-04-03 13:08 | ●オブジェ・イラストなど
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