ダンボス
 ドイツのクリスティアン・ヴェルナー工房で作られるオモチャは、旋盤で輪郭を型どった木の輪を金太郎飴のように裁断した後、手作業で面取りをしたあとに塗装して作られる。
 ぼくがこのオモチャを知ったのは昨年の冬。仕事の帰り道に、なんとなく立ち寄った新宿髙島屋のオモチャ売り場。
 ガラスケースに納められた小さな動物や人形を見て、そのまま視線を鷲掴みにされ1時間以上見入ってしまった。係のオネエさんがガラスケースから出して触らせてくれるというので、手にとり眼鏡をハズして(老眼のため)ほぼ全部、細部まで穴の空くように見た。削り具合、着彩と、ばらつきも多いものの、どれもセンスがよく、媚びがなく、かといって民芸品ではなく、オモチャ作りの魂を感じる素晴らしい仕上がり。ヨーロッパのオモチャは全般にクオリティーが高いけど、このオモチャは群を抜いて圧倒的な出来だと思った。わずか数センチの木の人形としては破格に高価だけど、美術作品だと思えば破格の安さ。結局動物を3つ買って帰り、電車の中でもじーっと眺めていた。いまでも時々眺めている。このオモチャを見ていつも考えることは、おもちゃ、模型、美術品、オブジェ、それぞれの価格や価値や、作られる環境やモノの意味といった哲学。
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 そんな哲学の種がギュッと凝縮された木のオモチャ。もしかすると、ぼくが日々小さな友達を作っているのは、自分も同じようなことをしたいのかも知れないな・・・などと取留めのない想いを馳せる。ダンボールと紅茶のヒモとタグで、小さなマンモスを作っていたら、いつの間にかそんなことを考えていた。
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by HIKOSUKEA | 2013-04-03 14:44 | ●オブジェ・イラストなど
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