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砂動日誌:11月1日のはなし & 今年さんお世話になりました。
ぞろ目の11月1日。
砂に向って歩き始める決意をし、ドンキホーテになってしまった日。
この日の夜は吉祥寺で和田誠さんのオープニングパーティー。
いつものように大勢で、お酒を飲みながらワイワイガヤガヤ。
どんなタイミングで言ったか忘れちゃったけど、和田さんと俳優の斉藤晴彦さんに「おれ、今度ライブでサンドアニメーションやることにしたんですよ。」とちょっと反応をみながら恐る恐る報告。
「それはどういうものだっけ。どっかで見た事あるような・・・」と晴彦さん。
「まさか、あの綺麗なおねえさんのヤツじゃないだろうな。」と和田さん。
私「・・・まそうっすよ。」
和田「お前、あの綺麗なおねえさんとセリ合うのか?バカっていうかさあ、それにしても変な事考えたな・・・」
私「え、いやあ、そこじゃないと思うんだけど、やっぱそこも重要ですよねぇ。」
和田「でもまあ、やってみなよ。案内よこせば見にいくから。遠くだったらいかないけどな。」
といったような会話があって、これがライブアニメーションについて語った初めての公式発言。
その後は周辺にいた数人に、自分の考えるライブアニメーションについての夢と展望を熱く語っていました。これでもう後には退けないぞという気持にビシッと尻を叩かれて、この瞬間、初めて本気で砂に向ったのです。

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★年の瀬です。
今年は私にとって、とてもいい年でした。
過去の自分や今の自分が重り合い、一つになって、霧の向こう側を少し垣間見た気がします。
また、忙しさに託つけて、あらぬところで居眠りをしてしまったり、眠気を堪えて朦朧としたまま大失態をしたりと、大勢の方に迷惑をおかけした年でもありました。
それでも経済と芸術の狭間で伸び悩んでいた、いくつかのピークを脱することができ、新しい目標に向け、焦点を絞ることができました。
これもすべて、私の周りで私を支え応援していただいた方々のおかげです。心から感謝します。

それではみなさま、どうぞ良いお年を。☀

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by hikosukea | 2010-12-31 12:21 | ●舞台ライブの仕事
サンドアニメーション 砂動日誌:12月30日
つまり今日。ライブが終って早くも一週間。
3日間のライブでは実にほどたくさんのことを学んだわけですが、その後の進展はゼロ。
なぜかというと、サンドアニメーションをする自作の稼台、台ちゃん一号機と呼んでますが、この台ちゃん一号機は、今後の定期公演用ということで、ライブ小屋に置き去りにしてしまったために現在は二号機を制作中なのです。
基本構造は一号機と同じですが、二号機は乗用車でも運べるようにセパレート式になっています。
それと撮影装置の新設。これが今回の目玉。
前回のライブでは準備に時間が取れなかったため、カメラはライトスタンドと撮影用の1脚を組み合わせて、無理矢理にセッティングしたのですが、今回制作中の撮影スタンドは、長い目で考えて様々な工夫を仕込んであります。
本来、ぼくのサンドアニメーションはカメラの動きやレンズの現象など、光学的な遊びを活かした作品作りが目標なので、そのための工夫を考えているわけです。
まずはカメラを自在に移動出来るメカニズム。ルーズカットから砂の粒子が見えるほどのアップまで、一気に移動できる撮影装置。出来れば片手で操作可能なギミックで。
そんな感じのものを、ここ数日考えているのですが、ここにきてザザーンと暗礁に乗り上げてしまいました。基本のメカニズムは前後、左右、上下の3軸。そして可能ならばカメラの首振り。ひたすらクロッキー帳にスケッチを描いて、構造を考えるのはダビンチになったような気分で楽しいのですが、3日も考え続けているとイイカゲン疲れます。そして「よし、もうこれで行くぞ!」と決意したのが今日の11時。
そして、もんのすごくラフな図面とメジャーを片手にホームセンターとハンズを廻り、座礁したのが15時。
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敗因は重量と予算と時間。
予算はまあ、これで完全なものができるぞ!というのなら少々高くついても納得できるんですが、私の場合、本当にちゃんと動くかどうかも分からないのですよ。まずは試作。な気分なのだから、そんなに大枚を叩くわけにはゆきません。
そして最大の難関が重量。
今日の設計通りだと軽く10キロ前後。支柱を入れたら20キロと、とんでもない代物になってしまいます。万が一故障して砂の上に落下したら天板のガラスが割れてしまうこと間違えなし。
理想は、カメラも含めた可動部が5キロ、支柱が5キロ。

ありものの金属パーツで安上がりにすることばかり考えているからこうなるのですね。ちゃんと図面を引いてアルミを切って細工すれば可能なことは分かっているのです。ですが、そんな時間はないのです。年明けにはテレビの仕事もドバッと始まるし、砂の練習も早く再開したいし、せっかちだし!
というワケで、今夜はゼロスタートで再設計ナウなのです。
強度を保ちながらの軽量化って永遠のテーマみたいなものだから、そうそう解決するとは思えませんね。いまは半ばあきらめて、アルミと木で地道に組み立てるミッションを計画中ですが、もしかすると「そうだ!傘の骨と、ハンガーと、自転車のブレーキを使えば簡単だ!」なんていう閃きの瞬間がくるかもしれないなと、薄い希望に胸をときめかせているのです。キラリィン!
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by hikosukea | 2010-12-30 20:45 | ●舞台ライブの仕事
サンドアニメーション 砂動日誌:19日
最終日。
この日も朝から絵コンテの描き直し。
いまは何とかなっているけど、最初は大変だった。
絵コンテといっても、ライブのサンドアニメーションと普通のアニメーションでは、映像の展開が違うし、それ以前に根本的な意味が違う。楽譜を見ながら演奏するように、瞬時に流れが掴めるものを作らなければならないのだから大変。
最初はどんな風につくればよいのか見当もつかなかったので、とりあえず普通の絵コンテのようなものを作ってみた。まず文章で書いた台本を元に、それらしいものを何枚か描いていると、何とかそれらしいものになってきた。
ようするに楽譜だな。演奏の手順とかテンポなどが時系列に並んでいて、全体の展開が見渡せればいいワケだね。
とはいってもまだまだ研究途中。いま解決できず困っているのは座標。
サンドアニメーションでは絵を描き始める場所がすごく大切になる。砂で形状のモーフィングを何度も繰り返して一つの絵を完成させていくので、キーになるポイントで、描かれているのが何の絵なのかを伝える特徴的な部分、目とか鼻とか、そういったものを描き始める場所を特定するのが難しい。
まず最初に中央の5センチ下からネコを描き始めて、次の絵は描いたネコのしっぽを利用して・・・と延々と展開していくので、描き始めの場所が違うと、進むに従ってだんだんとズレていって、しまいには二進も三進もいかず画面を消してゼロから描くという、みっともないことになってしまう。
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練習を重ねてゆけば、噺家が演目をこなすように自然と出来るようになるのだと思うけど、まだまだ入り口に立っている私には、そらで演じるのは無理。だからその日が来るまでは一度言葉に変換した図面のような、楽譜のようなものが必要なわけです。
とりあえず今回は、昨日と同じ失敗を回避するための楽譜を別紙にして、座標と時間がセパレートになった楽譜にしてみた。

それとこの日はもうひとつ課題がある。
昨日、失敗から脱することが出来ず、最後までもたついてしまった原因は黒ねこ。
もともと猫は、輪郭で描いた白い猫の予定だったのだけど、広い面積のコントラストで画面にメリハリを持たせたかったので、本番前日に白猫を黒猫に変更した。静止画面は想像通りよくなったのけど、実際に動かし始めると、処理する砂の量が何倍にも増えて大変。手間も増え、失敗も増え、技術的にも難しくなるので何とかせねば。

そこで、今回は全体に渡り最小限の砂で展開するための工夫。まずはシナリオの変更。大量に砂を使う場面の後に、砂を大きく動かすシーンを追加して段階的に砂を減らしていくような工夫。中盤、富士山〜新幹線〜怪獣、の流れは、新幹線〜怪獣の間に化石のシーンを追加。ここで二段階に分けて序々に砂を減らしていこう、というような作戦。
さらに今までは、黒猫を真っ黒に見えるようになるまで砂を盛り上げていたので、それを成りゆきまかせのグレートーンの柄猫に変更してみた。
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2時すぎには絵コンテというか絵譜というかの最終版が完成。
そして本番までの残り時間でリハーサル。
まずは小さな猫を描く練習。砂だけて2センチほどの猫を描くシーンが2回あって、どちら流れ的に重要なポイントなので、ここでトチると失敗感が増大するので徹底的に練習。しかし何度描いてみても、残念なことに練習中は失敗しない。やっぱり緊張するからいけないんだよなぁ、と思うがそればばかりは場慣れするしか手がないので、どうにもお手上げ。いまひたすらトチらない練習あるのみ。そして最後まで通してのリハーサルを2回。これもいい出来。録画しておいて本番中はビデオを流そうかと思うほど。

そして本番。大入り満員の客席にほっとしながらも緊張します。
これで最後かと思うと、今度こそパーフェクトなステージを!と妙に意気込んじゃってなおさら緊張の悪循環がスタート。坂本くんの尺八演奏が始まり、タイミングを見計らって砂台に照明を入れる。これも今回初の試み。砂台の下に仕込んだライトは調光式になっているので、昨日まではボワーンと灯りが広がっていくように照らすところからスタートしていたのだけど、今回は、スイッチオン!な感じでいきなり照らす。するとカメラのオートフォーカスが一瞬戸惑い、ピントを探してボワボワッと揺れる。これが何ともいい案配に収まるんですね。
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そしてスタート。あらかじめスタート用に用意しておいた猫の絵に砂をかけて散らし、画面中央下に手を置いて、人差し指の先端から第二関節分の位置に線を入れてオモチャ箱の描画を開始。
オモチャ箱の左側の幅は親指一本分。右手を左端にもどしてパッと広げて薬指先端までの19センチの見当をつけてオモチャ箱の右側を描画。
おもちゃ箱の大きさがなぜ19センチなのかというと、この後に出てくる車のオモチャのタイヤの大きさからの算出。タイヤは、描いた時に観客が「ああ、車か!」と判別するキーになるので、出来るだけ素早くササッと描きたいところ。それが確実に出来るサイズから逆算するとオモチャ箱は19センチがちょうどいいのです。しかし今になって考えてみると、車から描き始めて、つぎに箱、つぎにロボット。のほうがよかったような気もするんですが・・・。

といった感じで、頭の中は意外な数学モードでカラカラと回転を始めます。出足がいい時はこのまま数学モードを維持できるのですが、ミスが増えてくると、混乱して子供の砂遊び状態に突入しちゃってメッチャクチャ。前日の夕方はそんな感じだったな。
長くなるので実況中継はこのへんでおしまい。
そして今回はフィニッシュまでほぼ安定した数学状態を維持して、この3日間で一番の出来でした。最後に魚の絵を描いて、サインを入れて、兵隊さんを描くのを忘れて、アレ?な感じでしたが無事終了。
恐ろしいほど充実した一週間がこれで終結したのでした。
拍手の中で、燃え尽きた脱力感と、新たに漲るアイデアがほとばしり「か・い・か・んっ」と言いたい気持をぐっと抑えたのでした。
そして今、目の前には、大きな夢と野望。へへへっ。
砂動日誌はまだまだ続きます。砂童だっけかな?
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by hikosukea | 2010-12-29 11:45 | ●舞台ライブの仕事
ゴンドラの夢
で、さらに写真を整理していたら、これが昨日撮った写真で一番のお気に入り。
ポッチャリして、ちょっとメソメソした森林を抜ける優しいゲレンデ。その上をカタカタと走る丸っこいゴンドラがキュートな虫ロボットのように見えて可愛らしい。
自然の中の人造物は、有機的な色や形に、スキッとした直線と幾何学的な交差でメリハリをつけてくれるけど、ゴンドラの窓越しに撮影したこの情景は、窓ガラスのゆがみと曇りのせいでスケール感が破綻して、ポワンとした夢のように見るところがチャームポイント。
photoshopでちょっとメルヘン気味に調整。
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by hikosukea | 2010-12-28 12:55 | ●Life Shot !
かぐらリアン初日
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年末の雪ごいシーズンになると日本中のスキーヤーが毎日ネットで眺めている羨望の地、かぐらゴンドラ終着点からのライブビュー。
みつまた開通の声を聞いて、この景色の中にピョーンと飛び込んできました!
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かなり冷え込んでいましたが、雪は全面最上質のキシキシパウダー!
天候は晴れのち曇りのち雪のちガス。
シーズン最初のスキーとしては文句ナシ。
越後湯沢からのタクシーにs90を忘れてしまい、ちょっとカックンな気持でしたが、iphoneがあるので大丈夫。いい写りです。ただシャッター押すだけでこんなショットなんて出来すぎ。
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年内あと一回くらい行くと調子が出ると思うんだけど、うーん難しいかな。
実は、雪の上でアレをあーしてこーしてライブ雪アニメにも挑戦したいなぁ、なんて考え中なんですよ。
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by hikosukea | 2010-12-28 11:40 | ●Life Shot !
サンドアニメーション 砂童日誌:12月17日後半と18日 
さて本番、初舞台!
寄ってらっしゃい見てらっしゃい!てな感じではなかったです。
頼むから誰も来ないで〜・・・ な感じで、そっと声を潜めて身を隠してじっとしていました。もう悪い事はしませんから、後生ですから、カステラですから、からからからっとしてるうちにタイムアップ。だけど、お客さん来ちゃいましたね。
30人しか入れない小屋だけど、予想外にたくさん・・・緊張するなぁ。
で、始まった。というか始めた!
始めたらもう周りのことは気にしないで、タイムトンネルを抜けて一目散に逃げるように、あっという間に40分後の世界に到達。
最後のシーン。砂にhikosukeaのサインを描き始めるナイスなタイミングで大きな拍手が聞こえてグイッと現実世界に引き戻されました。この拍手は「成功」と思っていいのかな?いいんだよな!ってことにして笑顔で挨拶。
いや嬉しかったです、心から感謝です。
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その後はお酒を飲みながら歓談の時間。
オトナってやつは意味なくおだてる生き物だから、そこは慎重に差し引いて。それでも残る心の言葉を感じました。好意とか敬意とか。素敵な気持を感じることができました。
と同時に、どっと疲れて激しい睡魔が襲ってきたので、そそっと帰宅して爆睡。
久しぶりに不安感の伴わない深い眠りでした。

翌18日、もう余裕たっぷり。
昼すぎから小屋に入って絵コンテの作り直し。
本番では予想外にたくさんのことを学べたので、そのへんのことを盛り込んだらグッと精度が上がった。そのあとは書き直した絵コンテを見て練習の時間。昨日よりずっと巧くなっていて爽快な気分で練習を終え、リラックスして本番ができるように、ひと休み。
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そして本番。結果からいうとまあまあの出来。だけど全体に昨日よりダメな感じ。
原因は展開を煮詰めすぎて無難になってしまったこと、リズムが単調だったこと。いまひとつ自分が楽しめなかったこと。
特に2回目、夜の部がひどかった。一回目と二回目の間で、見に来てくれたお客さんたちに、砂のステージを解放して遊んでもらったのですが、ジュースやお菓子を食べた手で、砂や小物をいじったので、油が付着してしまったのですね。
それにまったく気づかず初めてしまったので、砂が引っかかる、小物が指先に張り付く、とトラブルがてんこ盛り。慌てて失敗しても、まだリカバリー出来るほどの技術がないので、ただ焦るだけ。ステージが終るころには全身汗だく。
「いやあ、ライブで絵を描くって難しいなぁ」と生まれて初めての体験。失敗はイヤだけど同時に失敗の経験がすごく嬉しい!という気持に助けられて、翌日に夢を繋ぐのでした。
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by hikosukea | 2010-12-26 15:53 | ●舞台ライブの仕事
サンドアニメーション 砂童日誌:12月17日前半 
不安を抱えたまま迎えた17日。
どうにもこうにも困った状態のままだけど、午前中はNHKで仕事の打ち合わせ。気持的にはそんな余裕はないんだけど、仕事だからしょうがない。電車待ちの10分、駅前の本屋さんを覗いたら、安部公房の「砂の女」が目に入ったので「これは読めってことだよな」と思い電車の中でチラ読み。この本を初めて読んだ中学生の頃はひどく興奮して何度も読み返したのに。うーん、だけどいま読むとそうでもない・・・と何のインスパイアもないまま渋谷に到着。駅から乗ったタクシーの中でも少し読もうと思っていたら、すぐに深い眠りに落ちて、ハッと目が醒めると、ちょうど目的地。「あっ、こここここここ、ここで下ろして!」って慌てて降りたので「砂の女」はタクシーに置き去り。たぶん足下に落ちてたんだろうな。文庫本をなくすのはよくあることだけど、妙にひっかかる。頭の中で何か一つが終ったような虚空が広がるような、意味ありげな感覚が足下に残留したまま、仕事の打ち合わせに入る。

午後1時前、打ち合わせ終了。
渋谷駅前を歩いていると昭和的な臭いたっぷりの居酒屋から小椋桂の「夢芝居」が大音響で流れてきて、ちょっといい感じ。♪稽古不足を 幕は待たない 恋はいつでも夢芝居〜♪なんて歌詞が今の自分っぽくて、鼻唄しながら歩いていたら、芝居小屋のオーナーの永島さんを思い出した。いや、思い出したってもね、まだ生きてますよ。なんとなく小椋桂と私と永島さんは不思議な繋がりがあるようなので思い出した。
ちょうど私が小椋桂さんの曲にアニメーションつける仕事をしている頃、3年くらい前。その頃、大宮の飲み屋で出会った変なオッサンが永島さん。なぜか永島さんも小椋桂さんのラジオ番組の脚本を書いていて「こりゃまた偶然!しかも大宮の隅っこでね!」なんてことになって盛り上がっちゃって、ま、そんなことどうでもいいんだけど、その出会の延長に今日のステージがあるんだから妙な感じでしょ。で、今日みたいな日に、砂の女やら小椋桂やらが、やらやらと繋がって、終いに「夢芝居」が用意されているあたりが、どーもねぇ、ニクいよねぇ。

湘南ライナーで踵を返してビューンと大宮。
大宮駅前の高島屋B2レストランで小雪似のモリさんを眺めながら麻婆丼を食べて、2時すぎに小屋到着。
荷物をソファーに置き、上着のままおもむろに砂に手を入れ、冷たい感触に心を委ねて昨日のおさらい。
気づいた事をメモにとりながら60分でおさらい終了。
身体が暖まったので上着を脱いでもう一回。
今度はメモを書き込んだ絵コンテを見ながらの練習。二回目は45分で終了。まずまずの出来。
後はコーヒーを飲んでリラックスして、指先で砂をはじいたり線を引いたりという基本技のレッスンで小一時間を過ごす。一番緊張したのはこの頃かな。何と言っても目前に初のライブ。しかもまったく自信ナシ。だけどこのステージの向こうに新しい人生があるのだという儚い感触。身体と頭がバランスを崩して引き潮の砂浜でじっと立っているような無重力感。妙に足元が涼しい。
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日が暮れるころ、「稽古不足を 幕は待たない♪」を口ずさみながら、もう一回通し。本当に稽古不足。言い訳をする気はないけど、ここ一月、レギュラーの仕事と飛び込みの仕事に時間を取られすぎて、稽古は予定の半分もできなかった。あいかわらずの無計画さに我ながら飽きれる。だが無計画ながらも自分の無計画さはちゃんと計算の上。言ってみればプロの卑怯モノ。今回は何でもいいからライブをやって自分なりの答えを出すのが大きなの目標。だって、やらなきゃ前に進めないぜ!みたいな青春啓発的な伏線があるのだ。だけど恥も最小限に抑えたいという気持があって告知はギリギリ一週間前。ごくごく近所の友人だけ。むしろ誰も見に来ないでください、くらいの攻めと逃げが共生した中途半端なステージ。
で、ナンダカンダでついに本番目前。もう退けない。

またまた長い文章になってしまったので、本番は次回。
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by hikosukea | 2010-12-24 11:19 | ●舞台ライブの仕事
愛しの銀世界
今日は砂童日誌をお休みして、ごく普通の写真。
これは今日の昼頃に撮った写真。湘南新宿ラインの大宮駅の近く。窓の外に写っているのは、追い越されている普通列車なんだけど、陽を浴びて煌めくような銀色のボディーが、なんとも愛おしいように思えてたので慌ててカメラを取り出して撮影。列車を抜ききったら終わりだから本当に慌ててたんだけど、そんな時に検札にきたアテンダントが何か言ってる。でも無視。「お前どけっ!」って感じでアテンダントの腰の横から通路の向こうの窓にカメラを向けてぎりぎりでファインダーに収めました。「よっしゃ撮れた!・・・なにスイカ、ああそうだ、そうだ。」頭上のかざしてピュッとチェックして、「ありがとうございました。」と去って行くアテンダントを後目に、再生ボタンをして写りを確認。OK。愛おしいのはアテンダントだけじゃないのよ。
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by hikosukea | 2010-12-23 22:58 | ●Life Shot !
サンドアニメーション:砂童日誌 12月16日
そして公演前日の16日。
砂箱の前に立ち、技術のおさらいをして絵コンテの詰め。
本番を前日に控え、もう迷わないぞ、これで行くぞ!と、固い決意で始めたものの、スキだらけの絵コンテを目の前にし、悩み悶えること30分。またしても全面書き直しを決意。頭の中に散らかっているアイデアを総点検するが、まだ足りないから家の回りを歩いてみたり、家中の引出しを覗いたり、空を眺めてみたり、頭を振ったり抱えたり、たりたりたりたり悶々として時間を過ごす。
そしてトンネル脱出。
twitterに「猫から!すべては猫からなんだ!」と叫んだのは9時23分。
ドラマの主役を人から猫に変更すると全てが解決できることに気づいたのを糸口に、演出もドラマも一気にまとまった。
まずは演出メモを作り、それを見ながら時間と座標の割り出しをするのに数時間、そして絵コンテをまとめるのに2時間。午後4時、予定を大幅に遅れて最終絵コンテが完成。
砂箱の正面に絵コンテを貼って、初の通し演技をしながら絵コンテに要所の書き込み。まずまずの自己評価。演技時間はおよそ40分と予定通り。

ここで練習は終わり。6時には砂箱を芝居小屋に運ぶためのトラックが来るので、箱の解体作業と道具の点検をしなければならず、その時間を考慮すると5時でタイムアウト。
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小屋に移動して砂箱を組み立て、カメラとプロジャクターをセットし終えたのが午後8時。この時点でほぼ疲れきっていたのだけど、まだ一日を終えるワケにはいかない。今回、尺八を演奏してくれる坂本君とリハーサル。
ここでハプニング。私にしか分からない小さなことだけど、私にとっては大きな事件。
そりゃもう、しばし唖然とするほど。

湿度がウチと違うせいで、砂がサラッサラッ。
砂が転がりすぎてカタチが決まらない。
なにもかも違う感触。砂も道具も私も、全く同じなのにね。

いままでの練習してきた技術がチャラ。またしても振り出し、ゼロスタートを切らねばならぬような遠い気持。
けど、もうヘコんでる時間もなし。何とかするしかない。
というわけなので、ひたすら砂と戯れ、新しい環境に適応するためのトレーニング。スキーでいうと晴れた日の圧雪バーンと吹雪の未圧雪バーンくらいの違いがある。まだまだ技術的に未熟な私には大事件です。まずは腰の位置。次は膝、いやいや肘が先か、なんてことを考えながら悪戦苦闘、悪銭身に付かず。そして12時、解決の糸口も見えぬまま、疲れきって家に帰って、そのままバタン。
砂で出来たデブの芸者に追いかけられる夢を見て目がさめたのは翌5時半。
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by hikosukea | 2010-12-22 09:07 | ●舞台ライブの仕事
サンドアニメーション日誌始めます。
砂童日誌 その1

砂とオブジェのライブアニメーションは昨日で千秋楽。
いやあ、ドキドキものでしたよ。ライブで絵を描いてお金を取っちゃうなんてこと、本当にやっちゃうなんてね。誰か一人くらい金返せ!って言い出すんじゃないってハラハラ。でも世の中あまいですね。エイヤー!で思い切って踏み出せば何とかなっちゃうのね、ホント。
酔狂にも見に来てくださった方々、応援してくださった方々、まったくどうもありがとうございました。
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終ってみて振り返ったり、いや振り返るまでもなくリアルタムに色々と感じたことや考えたことのメモがあるので、忘れないうちに書き残しておこうと思います。
そもそも砂アニメを始めたのは・・・、あたりから書いていくか、この数日から書いていくか、今ちょっと悩みつつコロッケパンをかじったりしてるわけですが・・・ここで30分経過。やっぱここ数日の記憶がしっかりしてるから、そのへんから書こうと思います。

まず13日、14、15日。開演の4日前から前日まで。この3日間はもうメッチャクチャに忙しい3日間でした。気持は砂のライブで一杯なんだけど、テレビの仕事の納品を2つ、目の前に抱えていたので、そっちをフィニッシュしなきゃならなくて、砂のレッスンは2時間くらいしか出来ないのですね。もともと同時に2つの仕事をするには向かない頭なのに、砂のレッスンを入れると、仕事A、仕事B、仕事Cの3つ同時進行。朝、早くに起きてパソコンに向ってモウロウと仕事をしていると、頭の中では砂を掻き回すアイデアを考えていたりと、もう効率が悪いのなんの。そこで効率よく仕事をするためのミッションを考えました。

で、どーゆーミッションかと言うと、
まず、起きたらいきなりパソコンに向って仕事を始めるのです。問答無用!ヨラバ切る。って感じで、顔も洗わず、歯も磨かず、水ものまず、飯も食わず、トイレも我慢して、とにかく仕事。いきなりヘッドホンを着けて収録音声を聞いたり、シナリオを読んだり、絵の修正をしたりというディープなところに飛び込んでいくワケです。ツライとかネムイとか起きたばっかりだし、なんてことは考えない。ずっと起きてたフリをして頭を騙しちゃう。で20分くらいしたらユルっと顔を洗ったりトイレに行ったりして、お茶を入れて一服しつつ、一日のスケジュールを紙に書いたり飯を食ったり。それからおもむろに自作した砂のステージの前に立ち、冷たい砂を手ですくって、手触りを確かめつつサラサラっと撒いてみる。時おり砂の上に紙を置いたりオブジェを置いたりして何となく気取った時間を数分。千利休な気分で時間を過ごすのですね。
こういう時、思うんですけど砂っていいですよ。
部屋に砂場があって、時々手で触れるだけ全身に理性が漲る感じ。それだけでもオススメ。
ま、大ざっぱにそんな感じの地味なミッション。
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これがだいたい朝の5時頃。それからは一気に仕事。自分で書いたスケジュール通りにひたすら仕事。この時やってたのは「シャキーン!」っていう番組と、広報番組のタイトルアニメーション。で、そうやって無理矢理に自分を時間の流れに封じ込めて行くと、本能的に自由を求める脳のスイッチがオンになるらしくて、それが脳裏でフル回転してるんですね。だけど目と手と普通の脳は仕事に使っちゃってるから、自由を求める本能のほうは基本カラ回りなんです。あまり空回りのままにすると脳が消化不良を起こすような気がするので時々ギアを入れてあげる。砂ステージの前に立って、砂をサラッと触ってみるんです。まあ3時間に一回くらい。すると高回転で空回り中の自由モードの脳がジャキーンと動いて、ほんの数分感だけどアイデアやら夢やらがジャラジャラと雪崩のように溢れてくるんです。慌ててそれを拾ってメモをとったり、ちょっと実験して写真に撮ったりしていると頭全体が落ち着いてくるので、そこでまたギヤを外して通常運転モードに切り替える。そんな感じで突っ走って、夜の9時頃には終了。この頃になるともう頭はフラフラで使い物にならないから、ふらっと酒を飲みに出かけて馴染みの店で小一時間を過ごして、後は寝るだけ。昔なら答えが出るまでは徹夜をしてでも!っていうこともあったけど最近はそういう無駄はしませんね。徹夜はダメージの方が大きくて効率が悪いです。

そんな感じでギチギチの3日間を過ごして、公演前日の16日を迎えたわけです。
で、
まだまだ長いから、とりあえず今日はここまでね。
続きはまた明日。
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by hikosukea | 2010-12-20 06:29 | ●舞台ライブの仕事